2014年6月13日金曜日

再生可能エネルギーの経済性と種類について。

再生可能エネルギーの経済性
 再生可能エネルギーは、CO2がZEROという前提で普及しつつある。しかしエネルギーシェアは5%にも満たない状況で、太陽光発電のみが先行し、FIT(固定価格買取制度)のもと、国民負担の賦課金で成立している。
 賦課金は、固定価格買取価格に回避可能費用を差し引いたものである。この回避可能費用は、電力会社が固定買取価格にて、買い取ることにより、本来予定していた発電を取りやめ、支出を免れることが出来た費用(回避可能費用)のことで、再生可能エネルギーの固定買取価格の仕組みとなっている。
 経済産業省は、この費用の算定を行なっている。一般電気事業者は、発電コストの高い火力発電所の費用を総括原価として公表し、その費用に、回避可能費用を差し引き賦課金としている。


再生可能エネルギーの種類
 A、再生可能エネルギーとして①太陽光発電②風力発電③バイオマスエネルギー④太陽熱エネルギー⑤海洋エネルギー⑥地熱発電⑦中小水力発電 B、システムとして①系統サポート技術②スマートコミュニティ③発電・送電・配電の分離。





2014年5月15日木曜日

エネルギー管理システムとは

 エネルギー管理システムは、BEMS(ビル用エネルギー管理システム)、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)、CEMS(地域エネルギー管理システム)3つに大別される。この3つのうち、BEMSとHEMSを地域で、CEMSとしてエネルギーをアグリゲーターが最適化すれば、かなりの省エネが達成される。

①BEMSは大規模ビルではかなり浸透しているが、中小ビル、一括受電されているマンションにエネルギー管理システムは浸透されていない。中小ビルを複数棟にまとめエネルギーを融通する仕組み、又、マンションについては個別にHEMSを採用できる仕組みと助成金が必要である。システム費用としてイニシャルコストは高くなるが、システムによる省エネにより、ランニングコストは削減され、電力負荷の削減、CO2の削減、地球温暖化温暖化対策に効果がある。

2014年5月11日日曜日

原子力発電所の弱み、マグニチュード9以上の巨大地震が発生したデータとは?

 マグニチュード(M)9以上の「超巨大地震」は、20世紀以降、東日本大震災を含めて世界で6回発生している。チリ地震(M9.5:1960年)、アラスカ地震(M9.2:1964年)、アリューシャン列島沖地震(M9.1:1957年)、東日本大震災(M9.1:2011年)、スマトラ島地震(M9.0:2004年)、M9.0:カムチャツカ地震(M9.0:1952年)、それぞれ南米、米国、米国、日本、インドネシア、ロシアで発生している。

 超巨大地震の発生場所は、チリ、アラスカ、三陸沖など環太平洋に集中している。いずれも海のプレート(岩板)が陸のプレートの下に沈み込む海溝(境界部)で起きている。こうした場所は、巨大地震の危険地帯で、繰り返し発生している。M9級の地震は、歴史的に平均300年間隔で発生してきたとデータ的に証明されている。

 南海トラフは、1707年江戸時代に発生し、M9級であった。このためにプレート境界で起きる地震は、防災上の観点からM9級クラスの巨大地震が、日本に発生する可能性が高いと想定される(日経データクリップより)

 日本での原子発電建設の今後の是非は、以上の背景から巨大地震の発生の可能性の低い他国と異なり、経済的な論理よりも安全性を優先した論理を、優先的に考えるべきである。

2014年5月8日木曜日

本当に「原発が日本のベース電力」でよいのか?

 電力会社及び経済産業省は、マスコミを通じて「電力不足キャンペーン」を行なっている。彼らの主張は、エネルギー基本方針にて、「原発は日本のエネルギー需要を支えるベース電源」は、原発で、それを停止すれば企業活動が大変なことになる」というものである。もともと原子力発電の計画は最も高い8月のピーク時の電力をもとに建設され、それをセットで24時間止められないという理由で、深夜料金で稼働させる水力発電も同時建設された。まさに公共工事そのものであり、日本経済の発展に寄与した。

 その夏場のピーク電力は、ピークカットを省エネ技術により10%程度の行えば、建設は必要なかったと推察される。現状、日本の全原発を停止しても日本の電力は、停電が起きるなどといった不都合は発生しなかつた。

 各一般電気事業者双方の融通電力及び省エネ、節電によりピークカットがなされたことになる。原発には、損害賠償保険をかける保険会社もなく、先進国での原子力発電建設は、投資対象にならないとされている。トルコ、インド、ベトナムなどが、日本の発電技術を評価するのは、地震国である日本で耐える技術があるのだから安心!福島原発被害の直接的な理由は、地震ではなく津波であると解釈しているのが一般的な意見である。

 地震国(常に地殻変動が変化し、現時点で地盤が安全でも将来は分からない)日本では、100%保証できる原発は不可能である。①新設又は建設中の原発は、中止。②新耐震法以前(昭和56年)の原発は、当然近々に40年経過する前に廃炉。③稼働させられるのは原発は、過去の経験している震度の数倍にも耐える原子炉なえあば稼働は可能。①、②、③は全て一般電力事業者の経済的リスクを増して電力コストがかさむ項目である。

 原発の稼働は、電気料金値上げの大儀と一般電気事業者の原発が、廃炉となる経済的死活問題である。電力自由化による発送電分離は、どのような形でソフトランニングさせるかは、政策ひとつである。政財官とマスコミとの三角構図の癒着をどのような形で解体させるのか。新しい日本のエネルギー政策を構築させ、電力自由化の成長戦略の具現化が迫られている。

2014年5月6日火曜日

IEA(国際エネルギー機関)が描く再エネ45%普及の方策(日経ビジネス:山家公雄)日本の真の電力ベストミックスマネジメントとは?

 IEA(国際エネルギー機関)が描く再エネ45%普及の方策について、日経ビジネスで山家公雄氏が解説を行なっている。前日、私のエネルギー政策での共通部分もあるが、日本のエネルギー政策が欧米に比べ、ひと周りもふた周りも遅れているのは事実である。


 日本は先般、エネルギー基本方針にて原子力発電をベース電源とした政策が閣議決定される予定である。新興国を除き、他国のエネルギー政策は、一般的に原子力発電所新設の廃止、耐久年数の経過した施設の廃炉が、妥当性のある意見で一般化してきている。


 したがって、原子力発電に替わるエネルギーポートフォリオ(電力投資プログラム:電力ベストミックスマネジメント)を、経済的成長バランスを配慮しながら、いかに行うかが課題である。日本のエネルギー政策について前日は、ハード面でのポイントを中心に述べたが、ソフト面でのコメントを、IEAの報告書を参考に追記する。


 IEA報告書について、電力ベストミックスマネジメントの考え方は、安定電力源の火力及び水力発電をベース電源とし、再生可能エネルギーにて補足を行うことを基本としている。IEA報告書は、再生可能エネルギーの比率を向上させ補足率45%まで可能であるという報告である。


 欧米特に米国では、日本に比べ再生可能エネルギkwhあたりの発電コストが、風力発電で3.0セント、太陽光発電で大口、長期契約25年にて7.0セントを切る契約がなされている。原子力、石炭、ガスなどと変わらない価格で、再生可能エネルギーが取引されている。シェールガス革命によるガス発電よりもコストが安く資金回収が早ければ、ガス発電所の建設よりも風力及び太陽光建設にシフトして当然である。


 再生可能エネルギーは、安定供給に欠け、天候リスクによる効率が低いので、コスト高が大きなデメリットである。前日のコメントで述べている。再生可能エネルギーを有効に運用させるシステム構築を同時に進行しなければならない。このシステム構築により、かなりの省エネも期待できる。ここでは、①〜⑤までの運用組織のシステム構築を提案する。


①各アグリゲーターが、適切な需要側ピークカットを可能とし、全国共通のスマートメーター
②各電力会社の送電線の周波数及び電圧を見える化し、それぞれコントロールできるシステム
③①、②との連系する大規模蓄電池設備及びコントローラー
④マクロの電力卸市場とミクロのグリットオペレーターとの広域連系運用組織
⑤各地域ごとに火力及び水力をベース電源として、再生可能エネルギーをポーフォリオとして運用管理を包括する官民連携会社の設立(再生可能エネルギー制御センター
⑥地域分散型電力システム:日本版スマートグリッド&スマートコミュニティの確立


 




 









2014年5月5日月曜日

『エネルギー政策の方程式』 経営の視点(日経論説委員 松尾博文)についてのコメント

 国の新しいエネルギー基本計画は、重要なベースロード電源を原子力発電と位置付けされた。又、電力小売りを全面自由化する法案が国会で審議入りした。そして原子力発電建設についての新耐震法及び原子力規制委員会が定める新しい基準での補強対策費についても、各一般電気事業者は、予算の上乗せを行なった。

 電力ビジネスを企業の針路として決める条件は、①電力小売市場改革②東京電力の再建の行方③原子力発電の将来の政策この3つの方程式の解を見つけ、その答えに柔軟に対応できる意思決定をしなければいけない。しかし、この3つの回答は、双方が互いに絡み合い、矛盾を抱えて、容易に回答が解けないのが現状である。

 電力の各地域で独占事業が、発電、送電、小売をそれぞれ分割する法案が国会に提出された。国が東電の大株主として燃料の一括購入を行い燃料コスト下げ、東京湾岸に火力発電を新たに建て替える「包括的アライアンス」を検討している。

 以上の背景もとで、エネルギー政策をどのような形にするのが望ましいのか私見を述べる。但し電力小売りの全面的自由化をすることを条件。

①ベースロード電源は、原子力規制委員会が定める新しい基準をクリアーできれば再稼働させ、但し稼働40年後を目安に廃炉とする。又、新耐震法以前(昭和56年以前)の基準の原子力発電は、審査対象外で再稼働させない。

②地球温暖化要因となるCO2の排出量の多い石炭火力発電所を新技術(超超臨界圧力石炭火力発電)により、積極的に新設、改修する。

③中規模以上の建物は、コーゼェネレーション(熱源より電力と熱を生産し供給するシステム)とし建物間で融通するシステムを政策上で確立させる。

④地中熱ヒートポンプも③と同様である。

⑤再生可能エネルギーの太陽光及び風力の不安定電力を解消する蓄電池技術のコスト削減及びイニシャルコストの50%削減を行う。

⑥再生可能エネルギーをIT技術によるアグリゲーターのソフトパワーを向上させる。

⑦広域的運営推進機関の送電線における第三者審査運用会社とし⑤と⑥とのコアボレーションを積極的に図る。日本全体のアグリーゲーターを確立させる。

⑧電力卸売市場の積極的な活用と運用を図る。新電力のポートフォリオとリスク管理に重要

⑨新電力自由化市場の改革(新電力双方との合弁、M&A、海外企業の参入等)

2014年5月4日日曜日

「再生可能エネルギー技術白書」(第2版)が、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構より出版された。再生可能エネルギーの大量導入が目前に迫った今、導入拡大にあたっての革新技術、産業構造の変化、克服すべき課題と解決策などを国内外の貴重なデータとともに網羅的、体系的にまとめた技術文献である。将来、再生可能エネルギーの比率を25%程度にするために、安定的な水力及び地熱並びにバイオマス、そして不安定な太陽光及び風力とのポートフォリオの比率を、どのような技術で補えばよいのか参考になる文献である。

第1章再生可能エネルギーの役割、第2章太陽光発電、第3章風力発電、第4章バイオマスエネルギー、第5章太陽熱発電・太陽熱利用、第6章海洋エネルギー、第7章地熱発電、第8中小水力発電、第9章系統サポート技術、第10章スマートコミュニティ